■cinema■comment 【グリーンマイル】
グリーンマイル The Green Mile
- 監督 フランク・ダラボン
- 製作 デビッド・バルデス、フランク・ダラボン
- 脚本 フランク・ダラボン
- 原作 スティーブン・キング（『グリーンマイル』新潮社）
- 音楽 トーマス・ニューマン
- 出演 トム・ハンクス、デビッド・モース、ボニー・ハント、マイケル・クラーク・ダンカンほか
- 1999年アメリカ映画
- 188分
●20000502 劇場で
映画「グリーンマイル」を見る。原作（『グリーンマイル』スティーブン・キング、新潮文庫）のエッセンスをコンパクトにまとめた感じ。例えば、主人公２人以外の登場人物（他の死刑囚など）についての書き込みを映画ではほとんどカット。また原作では現在のシーンと回想シーンとが入り乱れて書かれていたが―分冊という発行形式も関係してのことだろう―、映画では現在のシーンは最初と最後にのみ出てきた。このようにいくつかの改編が施されていたが、原作に比べすっきり整えられており、作品世界の豊かなふくらみ、肉付けは若干減少しているもののより多くの人にストーリーを理解されやすくなっていたように思う。原作を読んだことがないパートナーと一緒に見たのだけれども、彼の映画への感想や驚きは、原作を初読したときのわたしのそれとほぼ同じだった。
作品主題も映画ではよりストレートに前面に。神のみ姿が見えぬ世において、ひとはいかにして善をなし悪をなすのか。生の苦しみとは。
ところどころで印象的に流れるジャズやスタンダードの名曲がうれしい。トム・ハンクスの看守役（ポール・エッジコム）はとてもよく似合っていたけれど、やはりいささか太り気味すぎるのでは…。マイケル・クラーク・ダンカン (ジョン・コーフィ) 、デヴィッド・モース (ブルータス“ブルータル”ハウエル)、ダグ・ハッチソン (パーシー・ウェットモア) 等々…みな確かな演技力の持ち主。そして作品の内容は超自然的・非現実的であるのに、映画の雰囲気やテイストとしてはごく自然。1930年代アメリカの日常の香りが醸し出されていた。その点とても良かった。 途中からは涙がところどころ…。終了時には鼻づまりで呼吸困難気味に（笑）。ということでこの映画、『グリーンマイル』の世界に興味のある方はお時間がありましたら見て損はないです、お薦め。
| 1999年／アメリカ映画 カラー 3時間8分 ギャガ・コミュニケーションズ＝ヒューマックス・ピクチャーズ配給（ギャガ・コミュニケーションズ＝フジテレビ＝ポニーキャニオン＝博報堂＝ヒューマックス・ピクチャーズ提供） 字幕：戸田奈津子 |
| The Green Mile オフィシャルサイト（英語） 日本公式サイト |
| 出演：トム・ハンクス、デビッド・モース、ボニー・ハント、マイケル・クラーク・ダンカン、ジェームズ・クロムウェル、マイケル・ジェター、グラハム・グリーン、ダグ・ハッチソン、サム・ロックウェル、バリー・ペッパー、ジェフリー・デマン、パトリシア・クラークソン、ハリー・ディーン・スタントン、ゲイリー・シニーズほか |
