■cinema■comment 【ギャラクシー・クエスト】
ギャラクシー・クエスト GALAXY QUEST
- 監督 ディーン・パリソット
- 製作 マーク・ジョンソン、チャールズ・ニューワース
- 製作総指揮 エリザベス・カンティロン
- 出演 ティム・アレン、シガニー・ウィーバー、アラン・リックマン、トニー・シャローブ、サム・ロックウェル、ダリル・ミッチェル、エンリコ・コラントーニほか
- '99 ドリームワークス映画
- 102分
●20010901 レンタルビデオ・日本語吹き替え版で
映画「ギャラクシー・クエスト」がとても面白かった。ティム・アレン、シガニー・ウィーバー、アラン・リックマンほか出演、１月に公開・単館上映されていたSFコメディ映画を、レンタルビデオ・日本語吹き替え版で観た。
公開当時の新聞・雑誌評、Webサイトなどの各種レビューでの好意的な文章が印象に残り、観てみたいとずっと思っていた。半年抱えたその思いで観る前からもう期待満々。テレビに向かって…この期待は全く裏切られなかった。笑いあり感動あり（泣ける人もいるかも）の非常によく練られた爽快な傑作。笑って、どきどきして、どうなるどうなる？と手に汗握って。こういうの大好き。この映画大好き。面白かった！2000年ヒューゴ賞最優秀映像作品賞受賞作である。
以下導入部のあらすじ。ことの始まり（と終わり）は1979年から1982年までの4シーズン放映されたTVシリーズ「ギャラクシー・クエスト」のコンベンション会場。この「ギャラクシー・クエスト」とは、NSEA(宇宙探査局)所属・宇宙船プロテクター号の乗組員たちの活躍を描いたSFアドベンチャー。でも番組が終わってはや20年たった現在、彼らは今やディープで熱狂的なファンであふれているコンベンション会場にゲストとして呼ばれサイン会をこなす（だけ）の毎日。過去のドラマに縛られ続けている生活をぼやきながら生気なく日々を送っている。そんなある日、会場にあまたいるコスプレ・ファンのなかでもちょっと風変わりな雰囲気で、笑みを絶やさないとても誠実そうな四人組が「タガード艦長」ジェイソン・ネズミス（ティム・アレン）に話しかけてきた。実は彼らはネビュラ星雲サーミアンという宇宙人で、艦長に助けを求めに来たのだった…。
と、ここから驚きに満ち波瀾万丈、宇宙を駆ける物語が始まるのであった。この「ギャラクシー・クエスト」にはスター・トレックのパロディというしつらえもあるのだが、それを抜きにしても面白い。予定調和的に話は進むのだけれど丁寧で上質の脚本そのほかでそれもすべて計算のうちという感じ。熱狂的ファンもただ登場してるだけじゃなかった。レールに乗って気楽に観てまっこと楽しい。楽しいけれどもそこにあるのは無邪気な笑いではなく、どちらかというとひねりのきいた笑い、しんみり笑い、苦笑い。またはジェットコースターに乗っているときに出る笑いのたぐいも多い。驚いたり思わず叫んだり、知らず知らず声を立てて笑いもしたり、じーんときたりほろっとしたり。で、最後は節度を保ちつつ（話そのものは爆発的な展開になるのだけれど）盛り上がって爽快にエンディング。見終わった後、笑みがこぼれ出る。あー良かった、おもろかったなぁ。心底からそう叫びたい、ほんと楽しませてもらって気持ちよい映画だった。映像も特撮もきれい。ちょっとだけディズニーランドのスペース・マウンテンの星空を思ったりもした（コースターでも例外的にあれは大好きなのだ）。
ちなみにスター・トレックをわたしは小学校中学年ぐらいからだったか、そのころ夏休みの数週間を過ごしていた鳥取で放映されていたのを滞在している間だけ、夢中になって見た。むちゃくちゃ面白くて神戸では放映してないから帰りたくなくなるくらいだった…。そんな程度でも何か心に刷り込まれたのか、「ギャラクシー・クエスト」の「特撮」や「ドラマ」はどことなく懐かしかった。
| 1999年／アメリカ カラー 102分 ドリーム・ワークス映画 配給UIP マーク･ジョンソン･プロダクション作品 GALAXY QUEST オフィシャルサイト（英語） 日本オフィシャルサイト 製作：マーク・ジョンソン、チャールズ・ニューワース 製作総指揮：エリザベス・カンティロン 監督：ディーン・パリソット 脚本：デビッド・ハワード、ロバート・ゴードン 撮影：イェジー・ジェリンスキー プロダクション・デザイナー：リンダ・デシーナ 編集：ドン・ジマーマン，A.C.E. エイリアン・メイクアップ＆クリーチャー・エフェクト：スタン・ウィンストン 視覚効果スーパーバイザー：ビル・ジョージ 特殊視覚効果＆アニメーション：I.L.M. 音楽：デビッド・ニューマン 出演：ティム・アレン、シガニー・ウィーバー、アラン・リックマン、トニー・シャローブ、サム・ロックウェル、ダリル・ミッチェル、エンリコ・コラントーニほか |
| （DVD）字幕翻訳：戸田奈津子 吹替翻訳：岩本 令 |
※Amazon.co.jp「ギャラクシー★クエスト」 Galaxy Quest Official Website ギャラクシー・クエスト ★CinemaScape/ギャラクシー・クエスト
“Never give up, never surrender!”について （2004年2月14日）
このギャラクシー・クエスト、登場人物の合い言葉は “Never give up, never surrender!” という――星野阪神（2002-2003）のスローガン「Never Never Never Surrender」（『ネバー、ネバー、ネバーサレンダー』）の元はまさかこの映画から……とかだったらびっくりするんだけど、まさかね。でも実はずっと気になっている。スローガンがこの映画に関係しているのかどうか、スローガンの由来（何かにちなんでつけられたのか、といったこと）などご存じの方がいらっしゃったらご教示下さるとうれしいです。
と、こんなようなところを日記に書いたところ、そいとごえすのＢの雑談2004年2月13日「チャーチルの名言」にて、スローガンの元ネタがあるとするとチャーチルの名言「ネバー・ネバー・（ネバー・）ギブアップ」が元ネタである可能性の方が高いように思える
とのご教示があった。またその「チャーチルの名言」、ある演説からとられたものであるのだが実は実際の演説の文言とは違っていて…といった（ヤマタクもからむ）大変興味深いお話。ありがとうございます。
